緑内障の治療は、まず点眼薬を処方して眼圧をさげます。それでも視野が悪化すれば2剤目、3剤目の点眼薬を追加処方し、それでも視野の悪化が進行するならば手術を行います。しかし、手術は合併症が起こりやすいため、手術以外の治療法が期待されていました。緑内障の失明率が一番高いのは、点眼が面倒なので、また副作用のために自己中断してしまう人が多いことや、上手に点眼ができないなども原因と言われております。効果が出れば、点眼を1種類減らせるか、中止できることもあります。治療の選択肢が増えました。
♦この治療(SLT)を勧めたい方
①毎日の点眼が面倒な方、点眼がにがてな方、忘れやすい方。
②点眼薬の種類をこれ以上増やしたくない方
③点眼の副作用で困っている方
④点眼だけでは眼圧が十分に下がらずに緑内障が悪化する方
♦この治療(SLT)の効果
①レーザー後、約1~2ヵ月後に眼圧が安定してきます
②眼圧下降は約2~6㎜Hg(約70%の方)
③効果が出れば、点眼を1種類減らせるか、中止できることもあります。
④効果は2~3年とされていて、再度追加治療可能です。
⑤第一選択でのSLTと点眼を比較した場合、治療効果もコストもSLTが勝っていた。(参考文献 LANNCET)
♦この治療のデメリット(副作用)
充血、炎症はほぼ100%、前房出血は時におきますが軽度の場合がほとんどで、安静及び抗炎症作用のある点眼により一週間以内にほとんどの場合治癒します。眼圧上昇については、レーザー照射後に眼圧上昇をきたす場合があります。そのため翌日の眼圧検査と診察が必要です。また必要に応じて内服や処置をします。
♦Q&A
①痛みはありますか?
点眼麻酔だけでほとんどなく、あってもチリチリ程度です。
②治療時間は?
約10分位で帰宅時眼帯は不要です。
③治療後何か気をつけることは?
治療後通常の日常生活ができますが、当日の車の運転は控えてください。効果はすぐにはでないので、今までの点眼は自己判断で中止しないで下さい。
④効果がでない人もいますか?
効果には個人差があり、約70%の方は眼圧下がりますが、残念ながら100%ではなく、その際には点眼の追加か手術を考慮します。予見はできません。
⑤費用は?
保険適用で、片眼1割負担の方約10,000円/3割負担の方約30,000円
参考文献 :THE ,LANCET VOLUME 393,ISSUE 10108 P1505-1516、APRIL 13、2019
以上ご不明なことがあれば、ご相談ください。